• Tel (059) 336-2404
  • Fax (059) 336-2405
  • Access

研修を終えた方のコメント

研修医の

当院で研修を終えられた医師たちの感想やコメントなどを掲載します。

研修医2年目を迎えたばかりのこの春、地域医療研修として1カ月間このいしが在宅ケアクリニックで在宅診療を学ばせていただきました。同市内の三次救急を担う総合病院に勤務して1年になりますが、病院での医療と在宅での医療のギャップに驚かされ、様々な気づきを得た1か月になりました。 はじめに感じた病院での医療と在宅診療の違いは「患者さんのテリトリーに入ること」でした。

私の勤務する病院では、救急外来しかり病棟しかり、患者さんやそのご家族はみなどこか緊張した様子を見せていたように思います。一般的な生活を送る人間が病院を訪れる時は何か「異常事態」が起きているときであり、病院という場は否が応でも緊張を強いられる場所であるのは致し方がないことなのかもしれません。一方で我々医療者にとっては病院は「ホーム」であり、その点において医療者は診療開始の時点で患者さんよりも優位な立場に立つことになります。一方で、在宅診療の主戦場は患者さんの自宅であり、患者さんのテリトリーに医療者が侵入する形になると感じました。当初は他者のテリトリーに入り医療行為を行うことに、病院で働いている際には感じたことのない種類の緊張感を抱きましたが、訪問診療・往診で様々な家を回るうちに慣れていきました。多種多様な家庭がありましたが患者さんやそのご家族は自宅では皆くつろいだ様子を見せていました。患者さんのテリトリーに入り診療を行うことで、普段の患者さんの生活や服薬状況、治療に対する思いや死生観などがよりはっきり見えてくることがわかりました。患者さんの病気だけではなく背景に目を向けることはどのような場面においても重要ですが、患者さんとの距離が近い在宅診療ではそのような介入が行いやすいと感じました。

距離の近さは他職種連携の面でも感じられました。病棟において、回診は医師のみで行うことが多く、他の職種とともに患者さんを囲んで話をする機会はそう多くはありませんでした。ここでは医師・看護師・メディカルアシスタントがチームとなって訪問を行うことで、お互い何をしているのか、何を重要視して見ているかがより明確になると感じました。時にはケアマネジャーやソーシャルワーカー、管理栄養士の方も同席されることもあり、患者さんの治療・生活を一丸となって考える経験ができました。他職種の方が非常に細かいところまで目を配り、患者さんの生活をよりよくしようと考えている姿やその専門性を間近でみられたことは大きな経験になりました。

様々な気づきを得た一方で、内科診療における自分の力不足を痛感した1か月でもありました。緩和ケアや褥瘡処置、終末期患者におけるご家族への接し方など、院長先生をはじめ先生方の診療に同行させていただき見て学ぶ機会を得られたことは非常に勉強になりました。将来的なビジョンの一つに在宅診療の道が加わったことも大きな収穫でした。病院に戻ってからも、この1か月で得た在宅診療の視点を忘れることなく、内科医としての力を磨いていきたいと思います。

初期研修2年間の終わりが近づく2022年の1月、SARS-CoV-2変異株B1.1.529系統(オミクロン株)が大流行しはじめた頃に、いしが在宅ケアクリニックで1か月間の研修をさせていただきました。
ご多忙の中ご指導いただいた石賀丈士院長先生をはじめスタッフの皆様には感謝の気持ちでいっぱいです。いしが在宅ケアクリニックならではの経験があり、たくさんのことを学ばせていただきました。

緊張気味に伺った研修初日、いきなり度肝を抜かれました。2020年に完成したというクリニックの新社屋はまるで都会のオフィス。隅から隅まで洗練されています。トイレの蓋が自動で開きました。呆然とする間もなく、お目にかかった院長は気さくなイケメン。看護師様やアシスタント様、事務の皆様も親切かつ大変エネルギッシュで活気に溢れています。
すごいところに来ちまった、そう思いました。

研修の1週目、院長の訪問診療に同行した際に、在宅医療とは文字通り患者様のお宅に出向いて医療を提供するだけのものではないことを学びました。
もう今日明日にもお看取りという状態の患者様が、自宅で家族に囲まれて幸せそうにしていらっしゃる姿が印象的でした。院長はご家族に、自然に死んでいく患者様は苦痛を感じていないことや、熱が出ても病的でないこと、呼吸の兆候などからお別れをいうタイミングを予想できうることなどを、丁寧に説明されていました。
死とは苦しく悲しいだけのものではないと患者様とご家族にご理解いただき、安らかな最期を迎えるお手伝いができるのは在宅医療の強みではないかと思います。

その後、単独での訪問診療をさせていただきました。不安ではありましたが、地域医療に直接的に関わる経験ができたことは、今後の医師としての人生に大きな糧となりました。
同行していただく看護師・アシスタントの皆様はプロフェッショナルであり、患者様とのコミュニケーションの取り方から処方の内容まで、しっかりとサポートしてくださいました。訪問先の患者様、ご家族様も親切でフレンドリーな方が多く、少しずつお宅に伺うのが楽しみになっていきました。

そのようにしてやっと慣れ始めたころに、残念ながら研修は終了となってしまいました。
石賀先生には、精神科に飽きたら在宅をやりなさいと言っていただいております。いつの日かまたお世話になることがあるかもしれませんが、その時はよろしくお願いいたします。 本当に1か月間ありがとうございました!

いしが在宅ケアクリニックで1か月間地域医療研修として在宅医療を学ばせていただきました。普段の院内での研修とは異なることが想像以上に多くとてもたくさんの発見がありました。
特に研修を通して痛感したのが病院で普段働いているときはいかに早く病気を治療するかを主に考えていたのですが、治療を終えて退院された患者様のその後の生活をしっかりとケアすることまでは深く考えていなかったことです。この1か月の研修を通して患者様の病気だけでなく、社会的問題、心理的問題もしっかりとケアしていくことの重要性を学びました。
また一緒に訪問診療をさせていただいたスタッフの方々と患者様の接し方をみていると自分のコミュニケーション能力などがまだまだ未熟であると感じたので今後しっかりとトレーニングをして患者様から頼られて、慕われる医師になりたいと思います。 研修開始前は在宅医療に関してあまりわかっていないこともあり往診で何をしたらいいのか、何を話せばいいかなど不安が大きかったですが指導医の先生方や、看護師さん、アシスタントさん、事務の方々、スタッフの方々などに事細かくフォローしていただけるため安心して研修を行うことができましたのでこの場をお借りしていしが在宅ケアクリニックの皆様に感謝を申し上げます。また訪問させていただいた際お世話になりました患者様およびそのご家族の方々にも感謝を申し上げます。
お忙しい中、1か月間貴重な経験をさせていただきまして誠にありがとうございました。

いしが在宅ケアクリニックでは地域医療研修として1か月間お世話になりました。私は元来人見知りで特に初対面の方に対してとても緊張してしまう性格なのですが、いしが在宅ケアクリニックのスタッフの方々は、皆さんとても優しくて気さくに声をかけてくださり、本当にありがたかったです。初日に初めて院長の石賀先生と一緒に往診に行かせていただいた際には、お宅に伺っても何を話したらいいか分からずドギマギしてばかりでしたが、一緒に往診に同行してくださる看護師さんやアシスタントの皆さん、いつも温かく迎えてくださる訪問先の患者様方のおかげで、月の終わりの頃には大分リラックスして診療にあたることができました。
1か月の研修の間に数回お看取りにも立ち会うことができました。現在の日本では、お看取り場所として最も多いのが病院で、およそ8割を占めています。多くの方が在宅での最期を希望されていますが、実際に在宅で最期を迎えられる方は約13%とごくわずかです。私もいしが在宅ケアクリニックでの研修が始まる直前に祖父を癌で亡くしました。祖父は緩和ケア病院で最期を迎えましたが、特に今はコロナ渦で病院も面会を制限している状況ということもあり、危篤の連絡を受けて駆け付けた時にはすでに息が止まっている状況でした。そのような体験をした後ということもあり、実際に在宅でのお看取りの場面に立ち会ったときには強い衝撃を受けました。在宅でのお看取りはご家族様の介護負担も大きく、なかなか簡単なことではないとは思いますが、私がお看取りに立ち会った方々は皆眠るように旅立たれ、ご家族様も良い時間が過ごせたと満足そうであったのがとても印象的でした。
また、いしが在宅ケアクリニックでは疾患だけではなく、患者様やその背景に向き合うことの大切さを学びました。救急診療や忙しい日々の診療では、疾患にばかり目が行きがちになってしまい、どの患者様もそれぞれ違った人生を歩んできたのだ、という当たり前のことをつい忘れがちになってしまいます。訪問診療で実際に患者様のお宅にお邪魔させていただくことは、その患者様が普段どのような環境で生活をされているのか、どのようなことを大切に思っているのかなどを肌で感じることができました。それにより、患者様やそのご家族様にできるだけ寄り添い、患者様一人ひとりに合った医療を提供することがいかに重要なのかを再確認させられました。
慣れない在宅医療の研修で大変なこともたくさんありましたが、とても有意義な研修ができたと感じています。ありがとうございました。

1か月間、いしが在宅ケアクリニックでの研修で在宅医療を学ばせていただきました。思い返せばあっという間の1か月でしたが、1日1日がとても密度が濃く、新しい発見の連続でした。
研修前は、在宅医療のことをあまりよく分かっていなかったため不安でいっぱいでしたが、クリニックの温かい雰囲気のおかげで緊張がほぐれて安心して研修を開始することができました。
研修が始まってからは、毎日いろいろな先生方の訪問診療や往診に同行させていただき、2週目の半ばからは看護師さんとアシスタントさんと共に1人の医師として診療もさせていただきました。その際に、セデーションや医療用麻薬の投与量など、普段の病院での研修ではあまり教わらないことをたくさん学ばせていただきましたが、それ以上に一番印象深かったのは、在宅医療は病院での診療とは全く違い、患者さんの生活が中心であり、治療はその一部であるということでした。そして患者さんの病態を見ること以上に患者さんやそのご家族の不安な気持ちに寄り添い、患者さんにとって何が一番大切かを考えることが必要であると気付かされました。

終末期の患者さんが求めているものは、できるだけ家族や友人と一緒の時間を多く過ごしたい、あるいはできるだけ痛みのないように過ごしたいなどのような、思い残すことなく悔いのないように最期を迎えられる環境です。その内容は患者さんによって様々なので、 きちんと各々の患者さんの話に耳を傾け、症状の程度に合わせた生活の工夫や投薬内容の変更などを検討することは極めて重要であると感じました。そして、その際に明るい雰囲気は必要であるとも思いました。実際、患者さんの中にはクリニックの先生方の明るくて暖かい人柄や雰囲気のおかげで元気になり、前向きに最期まで病気と付き合っていこうという気持ちになられた方も多くいらっしゃいました。

研修期間中は、看取りの現場にも立ち会いました。その際にはご家族はとても悲しんでいましたが、満足のいく最期をご本人が迎えられたと言って時折笑顔を見せていました。このような笑顔が見られたのは、クリニックの先生方が最後まで患者さんやそのご家族に明るく寄り添い、常に最善の道を一緒に考えていったことで、お互いの間に大きな絆が生まれたからだと思います。

今回の研修では、緩和治療についてたくさん学べたことはもちろんですが、それ以上に人として大切なことを学べたと思います。例えば、患者さんと会話する際には患者さんの目線に合わすようにしゃがむ、できるだけゆっくり耳元で話しかける、バイタルサインを測定したら結果を記載する前にまず患者さんに直接伝えるなどのような些細な気遣いが患者さんにとって大きな安心感をもたらすということに気付かされました。病院での研修とは違い、患者さんをひとつの症例として見るのではなく、ひとりの人としてじっくり向き合うことができた1か月でした。そして医学以外の知識もきちんと持ち、様々な角度から物事を見ることができるようになることは今後の人生において大切であると院長の石賀先生がおっしゃっているのを聞いて背筋が伸びました。 最後になりましたが、いしが在宅ケアクリニックの皆様、1か月間温かくご指導していただき誠にありがとうございました。今回の研修で学んだことを絶対に忘れずに、これから患者さんと向き合える医師になりたいと思います。

1か月間、温かいご指導のもと在宅医療を学ばせていただき、誠にありがとうございました。短い間ではありましたが、たくさんの初めて得る知識や経験との出会いがあり、私にとって非常に濃密な1か月間となりました。
初めは院長の訪問診療・往診に同行し、医療用麻薬での疼痛コントロール方法やステロイドの使い方などの医学的知識だけでなく、患者さんとの打ち解け方、老若男女問わず万人受けする軽快なジョーク、重たくなりそうな雰囲気を明るく一変させられるポジティブな思考や話し方などコミュニケーション能力の面でも多くのことを学ばせていただきました。2週目以降は、徐々に看護師さんやアシスタントさんと共に1人の医師としての訪問診療が始まりました。いつでも院長に電話で相談できるとはいえ不安な気持ちもありましたが、温かく迎えてくださった患者さん・ご家族、それぞれの家庭を深く理解されており、在宅医療のプロフェッショナルなコメディカルの皆様の支えのおかげで、まだまだ未熟ではありますが堂々と訪問診療ができるほどには成長することができたと思っています。都会の在宅クリニックのなかには医師1人で回る病院もあると伺いましたが、医師とはまた違った視点から患者さん・ご家族への医学的・精神的サポートをすることができる存在であるコメディカルの方々の存在は必要不可欠であると実感しました。

この研修を通して、最も衝撃的だったことは「死」の過程を詳しくご家族に説明していたことです。患者さんの看取りが近づいたとき、ご家族を別の部屋に呼び、「お迎えがくるまでにどのような変化が起きるか」について詳細に書かれた紙をお渡しし、それに基づいて説明します。人の自然な免疫反応として、死の直前にはβエンドルフィンが分泌され幸せな夢を見ること、省エネモードになるため飲水・食事量は減り、眠っていることが多くなり、身体を綺麗にするために嘔吐や下痢があったり、脂肪を燃焼させているため暑がったりすることもあるなど(特に私は12月に研修させていただいたため、患者さんが寒がるのではないかと心配したご家族に毛布や布団をたくさん被せられ、暑くて苦しそうにされていた方を多く見かけました)…諸説あるとは思いますが、このようなことを理由付けして家族さんに説明すると、無知からくる死への恐怖感を和らげることができます。疼痛コントロールがうまくいっていれば、患者さんは安らかな顔をされていることが多いので、ご家族も安心して、通過儀礼のように死へのステップを受け入れられていました。 私の実家はお寺で、幼少期からお葬式など他人の死に触れ合う機会は多かったのですが、恥ずかしながら死にゆく過程について深く考えたことがなかったですし、それは医師になってからも同じでした。これを機に、一度死について自分でも考え直し、死に関わる場面では、医師としてしっかりした説明ができるようになろうと思います。

在宅医療の現場では、ご家族が死の過程について説明を受け、患者さんの死への受け入れができていることが多く、看取り直後でも笑顔や笑いを交えた思い出話が飛び交っていたり、在宅での看取りをやり切ったという達成感をもたれていたりといった、家族の絆を感じられる素敵な場面をたくさんみることができました。医師であってもそこまで多くは経験しないような看取りの場に何度か立ち会わせていただき、急性期の病院で専門科の医師として働く前に、このような貴重な経験ができて本当によかったです。自分自身も緩和ケアが必要な状態となったときには住み慣れた自宅で最期を迎えたいなと思いましたし、今後在宅医療の需要は増える一方だと思いますので、もっともっと在宅医療が広まり、このような素敵な施設、従事者の方々が増えていくことを祈っています。これからも、病院では見えない患者さんの生活や人生にまで考えを巡らせ、患者さんやご家族の希望を叶えられるような医療を提供できるように邁進していきたいと思います。最後になりますが、1か月間温かく見守り、支えてくださった皆様、本当にありがとうございました。

令和2年11月9日から4週間、いしが在宅ケアクリニックで研修をさせていただきました。ご多忙中にも関わらず皆様に丁寧なご指導をいただき、誠にありがとうございました。恥ずかしながら、今まで治療というと特に慢性的な疾患では「外来で患者さんに来ていただき、診察して検査を必要に応じて行って薬を投与する」といった流れがスタンダードのように考えていました。しかし、いしが在宅ケアクリニックという在宅医療に特化したクリニックがあることを知り、病気をご自宅でどのように診ていくかを学びたいと思い、こちらでの研修を希望させていただきました。

研修ではまず初めに院長でいらっしゃる石賀先生の訪問診療に同行させていただきましたが、1日目で考え方を大きく変えなければいけないことに気がつきました。病院では治療がすべての中心です。しかし在宅医療では患者さんの生活が中心でその一部に治療があります。例えば在宅の呼吸器一つをとってみても、機械を設置するにはその患者さんがいつも家のどの部屋にいるか、その部屋のどこに置けば一番邪魔にならないか、配線はどうするかなど、医学的な適応以外に関して患者さんと一緒になって考えることは今までありませんでした。

病気の症状に対しどのような生活の工夫をするか、治療をその方の生活の中に如何になじませていくかが重要で、そのためには患者さんの食事・排泄・運動能力など日常的なことから、性格・好み・価値観などその患者さんが人としてどうであるかも考える必要があり、その視点が新鮮でした。患者さんにはさまざまな方がいらっしゃって、ほとんど世間話で終わるような安定した患者さんもいれば、癌の末期で着実に死に向かっている方、神経疾患で治る見込みなく寝たきりの方もいらっしゃいます。実際、研修期間中に亡くなった方もみえました。そういった方々を拝見して、治療とは何かについて常に考えさせられました。

癌の末期でほぼベッド上の生活だったのに、故郷へ旅行する夢を持ったり、娘さんが帰省したりすることで外出できるまで元気を出された方を見ました。もちろん完全な治癒ではないので、その後残念ながらお亡くなりになっていますが、そのときの明るい表情から化学物質だけが薬ではないと痛感しました。死は誰にでも訪れるものであり、それをどのような在り方にしていくか、より積極的に考えていく必要があると実感しました。住み慣れた家で家族に囲まれて最期を迎えたい、という気持ちは自然なものだと思います。一方で、家族の負担も無視できるものではありません。人ひとりを介護するには周囲の非常な努力が必要です。ですができる限り自由に選べるように努めるのが医療者側にとって大事なことと思います。こちらで学ばせていただいたことを活かして、何が患者さんにとってよりよい医療となるのかを考えていきたいと思います。
末筆ながら、貴院のますますのご発展を心よりお祈り申し上げます。

令和元年10月1日から2週間、いしが在宅ケアクリニックで在宅医療研修をさせていただきました。
研修の内容を具体的に申せば、在宅医療の現場をまずは「見て」、先生方やコメディカル、スタッフにコンセプトや在宅医療の諸問題について「聞いて」、実際に自分とナースと医療事務員さんのチームを組んで在宅医療を「実践する」ということをさせていただきました。 僕は来年からは外科を専攻する予定で、石賀先生は緩和ケアの専門家だとお聞きしたので、緩和ケアについて学ばせていただくつもりでやって来たのですが、実際の在宅医療の現場は、緩和ケアだけでなく、もっと複雑な要素も絡み合っており、それでいてエキサイティングなものでした。

ひとつ、経験させていただいた患者さんのお看取りについて話します。末期がんの若年女性を彼女のご自宅でお看取りしました。点滴の鎮静薬も麻薬も、酸素もめいっぱいまで使っていて、病院ではない在宅でここまでできるのかと正直驚きました。しかし、家に帰ってから一週間ほど、患者さんは好きなものを食べたり、家族と話したりと、最期の大切な時間を大切に過ごされました。
家での看取りは、病院とは本当に違います。もちろん、病院でも、家族に囲まれて安らかに死を迎えられる方はいるけれども、患者さんの気持ちとしては全然違うと思います。家に戻っていただいて本当によかったと思いました。

私見ですが、石賀先生およびクリニックの皆様が、メインに考えていらっしゃる、在宅医療からの看取り。これはこれからの日本にとって非常に必要なことだと思います。その理由は、次の3つです。

①石賀先生の著書にもありましたが、死をタブーとして遠ざけてしまうのではなく、自然な成り行きとしてとらえる。その結果、看取りは突然襲ってくる悲しみではなくなる。また、看取りが家族の絆を強める。このことがまず大切です。
②在宅でできることは在宅でやることで、(急性期)病院は急性期の患者のケアにより集中することができるようになります。言い換えれば、医療資源をより有効に使うことができます。
③ 何よりも、患者さんの満足度が高い。僕もできれば自分の家で死にたいです。

以上のような在宅医療の大切さは、実際に在宅医療の現場を自分の目で見て、現場を歩いたからこそ、わかりました。
研修させていただけて、本当によかったです。ありがとうございました。

  令和元年10月11日 市立四日市病院研修医 勝谷亮太郎 拝